昨今、街中でもデジタルサイネージが増えています。
ベゼルと呼ばれるモニタ枠の幅が極力小さなディスプレイをいくつも組み合わせ、あたかも一つの大きなディスプレイとして見せる手法は一般的になっています。
しかし、ディスプレイ同士の隙間を狭くすることだけが正解ではありません。
敢えて「幅」をつくり、窓の外に風景が見えるようなイメージを演出することが出来るのです。
今回のお客様の映し出したいコンテンツが「風景」でしたので、このディスプレイ同士に幅を設ける「窓型サイネージ」仕様で味が出るケースでした。
ここからは写真を交えて施工の流れをご紹介します。
まずはディスプレイ用の電源を予め配線しておきます。
この作業はアロワーズでも、よくご提案する壁掛けモニター用の電源を設ける際に行うのでよく見る光景となります。
ここからが今回、ご紹介する事例でご覧頂きたい内容となります。
壁の下地を組んで行きディスプレイを設置する箇所に専用の木枠を設置していきます。
当初はLGSでディスプレイ用の枠を組んで行く予定だったのですが、職人さんと何度も相談を重ね、デザイン性やメンテナンス性に加え、施工のしやすさを加味して、木枠の方が良いとなりました。
※理由としては下記の通りです。
・デザイン性
造作で木枠を作っていますので、ディスプレイ間の枠幅も融通が効く為でお客様ご希望のデザインでご提案が可能です。
・メンテナンス性
後ほど紹介しますが、ディスプレイは嵌め込んでいるだけなので、不具合時などに交換しないといけない場合、ディスプレイを外せば交換ができます。
ボードで枠を作っていると交換時に割れてしまう恐れもありますが、木枠であれば強度がかなりある為、安心して交換ができます。
・施工のしやすさ
LGSで作成の場合、下地の加工に加えボードも埋め込み枠に合わせてカットする必要がある為、工期や職人さんの作業手間も増えてしまいます。
最後にディスプレイを嵌めていきますが、そのまま嵌めるだけでなく隙間にパッキンを仕込み衝撃などで外れてこないようにしました。
施工後の写真がこちら
電源コードなどもディスプレイ背面に設けたのでスッキリして壁に本当の窓がついているように見えました。
また、オフィスだけではなくクリニックで採用すれば患者さんにリラックスした雰囲気を楽しんでもらえることが出来ると思います。まるで窓の外の風景のような「窓型サイネージ」。様々な場面でお勧めです。
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。