スケルトンの事務所を借りたけど、やっぱりオフィス仕様の天井を作りたい時~最低限知っておくべき天井の知識

スケルトンの事務所を借りたけど、やっぱりオフィス仕様の天井を作りたい時~最低限知っておくべき天井の知識

今回は天井の種類についてご紹介致します。
まず、現代のビルの天井はほとんどが「吊り天井」です。
フロアとフロアの間に設備スペースである「ふところ」を設け、上階のコンクリート床などにあらかじめ埋め込まれている吊りボルトを使ってガッチリと下地を組み、天井材で仕上げています。この構造を「吊り天井」と呼んでいます。

さらに、この「吊り天井」の中でも在来工法とシステム天井工法の二種類があるのです。

A 在来工法・・・Z方向に伸びた吊りボルトにハンガーという部品を付け、X方向に野縁受け(のぶちうけ)というバーを設置、その野縁受けに直交するように野縁(のぶち)というバーを固定して天井仕上げ材を「貼っていく」工法です。一番簡単ではありますが、設備の位置の変更がしずらいという弱点があります。

B システム天井・・・空調や照明などの設備と天井材のモジュールを共通仕様にすることでレイアウト変更などに対応しやすくした天井です。野縁に対してバー固定する点は同じなのですが、Tバーと呼ばれた部材が逆T字型になっているので天井材を「載せる」ことが出来ます。この中でもTバーのグリッドの大きさが600mm角もしくは450mmの構成になっているものを「グリッド型システム天井」と呼び、現在の新築オフィスビルでは多く見られます。

さて、システム天井が主流とは言っても、借りたオフィスの築年数によっては、まだまだ在来工法の天井も多いと思います。

当社アロワーズでも、在来工法で作られた天井に対して仕上工事をすることは日常茶飯事です。
特に、「スケルトンの事務所を借りたけど、やっぱりオフィス仕様で仕上げた天井を作りたい!」というお客様の要望が多いように思います。

大きく分けて天井仕上げ材は下記3パターンがあります。

  1. ジプトーン
  2. ソーラトン・トラバーチン
  3. クロス

ソーラトンやトラバーチンはもともと建材メーカーさんの商品名になります。シェアが高く、施工の現場では一般名称のように使ってしまっています。
ジプトーンもソーラトンも事務所や商業施設でよく使われている黒い斑点のような模様がついているモノなので、御覧になったことのある方も多いと思います。

このジプトーンとソーラトン、見た目はかなり近似しており見分けが難しいですが大きな違いは施工方法にあります。

在来工法で下地を組むところまでは同じですがソーラトンの場合はプラスターボードを貼りその上から接着剤やタッカーという見えづらいホチキスのようなものでソーラトンを貼っていきます。これを捨て貼り工法と呼んでいます。

ソーラトンは2枚貼りのためビスも見えず、比較的遮音性もあります。

ジプトーンの場合は下地にそのままビスで打ち込み貼っていきます。遮音性こそそこまで高くありませんが比較的安価で天井を設置することができ、ビスを外すだけで取り外すことが可能なため天井配線のやり直しや天井設備の点検などが容易に可能です。

クロス仕上げのパターンですがこれはプラスターボードにクロスを貼るというLGS造作壁でも使われる施工方法で一般的に個人宅などに多く見られます。

実際にジプトーンにて天井を新設した現場写真を紹介します。

この現場は軽天(軽量鉄骨天井)だけが組んである状態からスタート。まずはジプトーンを貼っていき、その後照明や空調を設置して天井を完成させた現場になります。

スケルトン状態での引き渡しのようなテナントに入居を予定されている企業様は、天井を作らない選択肢、天井を作る選択肢、作るならどんな天井を作ってどのような見栄えにするかというように、多くの選択肢から用途に応じて決めていく必要がございます。

オフィス内装の実績豊富なアロワーズでは、それぞれのメリット・デメリットをお伝えした上で、打ち合わせ出来ますのでぜひご相談くださいませ。

 

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