オフィスの内装工事の【減価償却】と【耐用年数】について

ある程度以上の規模のオフィスを移転する場合、内装をリフォームしていることが多いと思います。
また、移転でなくても、ある程度長期間使用したオフィスであれば、内装を変えて長年の汚れを取り除き、心機一転を図ることもあるかもしれません。
当然ですが、内装の工事にはお金がかかります。この経費はどう処理すればいいのでしょうか?

移転関係の費用や維持管理費として処理している企業もあるかもしれませんが、こういった費用は減価償却の対象になります。
減価償却にすると何か良いことがあるのでしょうか? そもそも減価償却とはどういうことでしょうか?

本記事では、オフィスの内装工事にまつわる減価償却について、適用条件などとともにざっくりとご紹介します。

 

オフィス内装の減価償却について

減価償却とは、設備投資に使った費用をその年度ではなく複数年度に分散して会計処理を行うことを指します。
簡単に言えば、100万円の設備を導入して5年で償却を行う場合、5年間にわたって毎年20万円を経費として計上できるのです。

100万円の設備は、言ってみれば100万円分の価値を持った資産です。
しかし、年月が経つにつれて資産としての価値が減っていきます。この価値の目減り分を費用と考え、複数年度に分けて計上する処理が減価償却と考えてください。

オフィスの移転や内装工事、レイアウト変更は設備投資の一種と考えられ、減価償却の対象となります。内装工事で価値が上がった「資産」の価値が、数年かけて減少していくと捉えることができるからです。
減価償却によって、単年度では大きな赤字になる設備投資でも、複数年度に分けることで経費を薄く広くすることができます。

また、実際に現金を使ったのは最初の年度だけなのにも関わらず、帳簿上は経費を複数年に分けられるということは、初年度以外は出費を伴わずに経費を計上できるということでもあります。経費に計上できるということは、税金を軽減する効果が得られるということに他なりません。出費なしで複数年間税金を節約できるのは非常にありがたいと言えます。

 

オフィス内装の耐用年数について

減価償却のカギになるのが「耐用年数」です。
耐用年数とは、ここでは減価償却できる期間のことを言います。
100万円の設備が5年の耐用年数を持っているとされた場合、5年間にわたって20万円ずつ減価償却費を計上します。

しかし、同じ設備が10年の耐用年数を持っているとされたら、10年間にわたって10万円ずつ減価償却費を計上するのです。
耐用年数を個人の判断で好き勝手に決めてしまうと、自由自在に節税できてしまいます。これを防ぐために、設備や備品の耐用年数は法律で定められています。
例えば「金属製の事務机の耐用年数は15年」「金属製でない事務机は8年」などと、導入した備品の種類ごとに細かく決められているのです。
では、備品ではなく工事そのものの耐用年数はどのように決められるのでしょうか?
ここでは、自社ビルではなく賃貸オフィスにおける場合を考えてみます。

・パターンA.期間の定めがある賃貸借契約
賃借期間の定めがある賃貸借契約とは、オフィスを借りる契約期間が決まっており、なおかつ更新ができない契約のことです。
この場合は、賃貸借の期間がそのまま耐用年数となります。
ただし、有益費の請求または買取請求を行使できない種類のものに限ります。

・パターンB.期間の定めのない賃貸借契約
期間の定めのない賃貸借契約とは、単に期間を定めない契約のことだけを指すのではありません。
契約期間が予め決まっていても、満期になる度に更新できる性質のものは、期間の定めのない賃貸借契約と扱われます。
ただし、その賃貸借契約の内容が「普通賃貸借契約」である必要があるので注意してください。
この場合の耐用年数は、造作の種類や使用した材料などによって合理的に見積もられます。早い話がケースバイケースです。
しかし一応の目安は存在し、一般的なオフィスの内装工事であれば10年~15年くらいの耐用年数が設定されます。

なお、オフィスの内装工事を行った場合、建物に関する工事部分と建物附属設備(アーケードや給排水設備等)を別々に資産計上します。
個別の耐用年数については、以下の国税庁のサイトから確認できます。

・1.建物・建物附属設備についての耐用年数

https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php

・2.器具・備品についての耐用年数

https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34358.php

減価償却を素人判断で行うと、後になって思わぬ問題が生じる可能性があります。
税理士などの専門家と相談しながら行ってください。

 

まとめ

以上、オフィスの内装に関する減価償却についてまとめました。
内装工事費は減価償却できることと、減価償却の際には耐用年数がカギになることを覚えておきましょう。
オフィスが賃貸物件の場合は契約内容で耐用年数が変わり、工事の内訳によっても計上の仕方が変わってくる点も重要です。
専門家と相談しながら適正な帳簿を作り、できれば節税の恩恵も受けられるように努力してみてください。

 

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