壁を厚くするだけで解決?~防音室の施工事例より~

防音室工事の工程を一挙公開

アロワーズではオフィスの内装はもちろんのこと、店舗内容や撮影スタジオなども対応させて頂いております。今回は都内某所の撮影スタジオでの防音工事について、工程毎にご説明致します。

既存解体

 

 

防音室を作る前提として、いくら壁を厚くしても天井裏やOAフロアの床下から音が漏れてしまいます。このことを防ぐ為に、防音エリアの天井及びOAフロアを解体して、床スラブから屋根スラブ(躯体の床から屋根まで)までの防音を施す必要があります。

 

天井裏配線整理/照明工事

 

〈元々の天井裏はこんな状況〉

 

天井裏は普段は目に見えない場所の為、電気や空調関係の配線・配管がランダムに配置されています。これがそのまま見えてしまうと、かなり乱雑な印象になってしまうので、可能な範囲で綺麗にまとめていき、照明も使える状態にします。

 

軽量鉄骨施工

 

 

壁の骨組みとなる軽量鉄骨を立てていきます。今回は床スラブから屋根スラブまでの長さが必要であり、安定性が求められる為、通常よりも太い軽量鉄骨(100mm)を使用しました。

 

グラスウール充填

 

 

吸音(断熱)材であるグラスウールを、軽量鉄骨に漏れなくはめ込みます。グラスウールの種類も厚さ(50mm)・密度(32Kg/㎥)とも最上級の材料を選定しました。

 

石膏ボード+防音シート張り

 

 

グラスウールをはめ込んだ軽量鉄骨に、石膏ボードを張り付けていきます。今回はより防音性能を高める為、石膏ボードの上に防音シートを張りそのシートを再度石膏ボードで挟み、そこにもう1枚防音シートを張り、最後に3枚目の石膏ボードで閉じるという厳重な防音対策を施しました。

 

防音扉の設置

 

 

〈グレモン錠〉

 

グレモンハンドルと呼ばれる、レバーを押し下げてドア周りのゴムをドア枠に押し込み隙間をなくす仕様の防音扉にて、ドアの隙間からの音漏れを防ぎます。実際音漏れは、ドアの隙間からが一番漏れやすいので、注意が必要です。

 

塗装工事

 

 

これまでに施工を行った壁面を全て塗装しました。壁一面はホワイトに対して防音扉はブルーにしてアクセントとなる様にしました。ここまでくると大分完成に近づいてきた感じがします。

 

その他付随工事

 

〈パテ処理〉

 

〈丸ポール取付け〉

 

コンセントや防災設備の設備類を設置/調整します。ひとつひとつの隙間にもパテ処理を施し、細かな音漏れにも気を配ります。また今回の撮影スタジオで使用するカメラを取付ける丸いポールを格子状に組んでいきます。

 

タイルカーペット張り、カーテン工事

 

 

間もなく工事も最終段階です。カーペットとカーテンを緑のイメージで統一して取り付けました。

 

ガラス工事

 

 

今回はスタジオ内の一角にブースを設置したのですが、そのブース内からスタジオ側を見える様にガラスを設置する必要がありまして、防音の為の強化ガラス(厚さ10mm)を2枚はめ込みました。また2枚の間に空気層を持たせることにより、防音効果を高めました。

 

屋根スラブ面の防音施工

 

 

今回は天井を解体してしまっている為、上階からの振動音にも気を配らなければなりません。写真の様なクロス生地の中にグラスウールを詰め込んだ材料を屋根スラブ全体に張り付けていきます

 

完成

 

 

無事に全ての工程が完了しました。

防音スペースに入ると聞こえてくる「キーン」といった高音ノイズの様な音が強い程、防音効果が高いと言えます。

早速撮影のスケジュールが立て込んでいるとのことで、お客様にもご好評を頂くことができました。

 

 

【まとめ】

防音工事はただ単に壁を厚くすれば良いだけではなく、例えば電気コンセントや防災設備(非常照明、スピーカ等)とうの穴や照明なども音漏れの要因になりますし、少しの配管の隙間や上下階からの振動にも気を配らないとなりません。

また使用する防音材料によっても遮断できる周波数帯に特性があり、低い音を遮断することの方が難しいので低音域に強い材料の選定が必要など、細かなことにも注意が必要です。

 

この様な難しい施工でも、アロワーズではお受けすることが可能です。

まずはどんなことでも内装に関するお悩みは弊社営業担当までご相談下さい。

何卒宜しくお願い致します!

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