オフィスや店舗の印象を決める大きな要素である「クロス(壁紙)」。
単に色を変えるだけでなく、柄や貼り方を工夫することで、驚くほど空間の表情を変えられることをご存知でしょうか?
今回は
素材の貼り分けで空間を演出するテクニック
アクセントクロスで空間にメリハリをつけるテクニック
グラフィッククロスで唯一無二のデザインにするテクニック
をつかった3つの事例から、クロスの魅せ方について詳しく解説します。
1. 素材の貼り分けで空間を演出するテクニック
クロスは「部分的に切り替える」など、貼り分けで印象を大きく変えられる素材です。
一面だけでも印象は変わる
例えばウッド調クロスを斜めに貼り分けるだけで、空間にリズムが生まれ、アクセントウォールとして目を引きます。
部分貼りで機能性アップ
・1面だけタイル調にする
・腰から下だけ木目に変える
といった貼り分けなら、「空間にメリハリ」「ロゴサインや照明が映える背景」が同時に叶います。
2. アクセントクロスで空間にメリハリをつけるテクニック
もうひとつは一面だけ変える「アクセントクロス」です。写真は既存の塗装仕上げの壁はそのまま活かして使い、新たに建てた間仕切り壁のみクロスを施工した事例です。
塗装壁にクロスを貼る場合は下地処理や将来の原状回復のコストが高くなるため、新設壁のみにクロスでアクセントをつける選択はとても理にかなっています。
特徴のあるアクセントクロスを取り入れたことで、エントランス、会議室など空間ごとに雰囲気を変えることができました。
3. グラフィッククロスで唯一無二のデザインに
少し変わったクロスとしては、オリジナルの柄やカラーで空間にインパクトを与える「グラフィッククロス」があります。貼り方ひとつで仕上がりの印象が大きく変わるため、以下のポイントを押さえることが大切です。
施工の流れ:
① 下地処理
古いクロスや塗装壁の凹凸を確認し、パテで補修して平滑に仕上げます。
② クロスの割り付け・カット
柄合わせを意識しながら配置を決定。流れに沿ってカットします。
③ 糊付け・貼り付け
専用糊を均一に塗り、上から空気を抜きつつ貼ります。端部や継ぎ目をしっかり圧着するのがコツです。
④ 仕上げ・乾燥
施工後は半日〜1日程度、触れないようにして十分に乾かします。
乾燥前に家具などで押しつけると浮きや剥がれの原因になるので注意しましょう。
まとめ
クロスは「壁紙を張るだけ」ではなく
柄や色の選び方
貼り分け方
を少し意識するだけで、空間の価値を大きく高めることができます。プロの下地処理や乾燥管理によって綺麗に仕上げれば、比較的低価格なクロスでも高級感ある仕上げとなるのです。
今回のテクニックに加え、クロスにあたる照明を上手く組み合わることで、更に独特の世界観を演出することも出来ます。
オフィスや店舗の印象づくりに、クロスの可能性をぜひ活かしてみてください。
「どのクロスを選べばいいか分からない」「貼り分けの提案をしてほしい」などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。