1. プロジェクト概要
2年前に当社でオフィスを手掛けたお客様から、業績拡大に伴う移転のご相談をいただきました。リピートだからこそ、前回以上に“驚き”と“納得”を感じてもらえる空間づくりが求められます。
2. デザインリクエスト
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クールでありながら開放感のあるエントランス
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環境配慮の観点から、前テナントで使っていた社名サインを再活用
明確な方向性とサステナビリティへの姿勢に共感し、デザイン・アイデアの検討に熱が入りました。
3. 施工ハイライト
3-1 | 木格子のデザインウォールで“クール&オープン”
格子状に無垢材をランダム配置し、視線を適度に透過させて“抜け感”を演出。
設置後、エントランス全体の雰囲気に合わせて塗装をします。
縦横ランダムに木を組み合せし、遊び心も出してみました。
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壁厚をあえて持たせ、格子部分にディスプレイ棚としての機能をプラス。
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竣工後、クライアントが自社製品を並べ、ブランドストーリーを自然に発信できる仕掛けとなりました。
3-2 | 既存パネルサインを“間接光”で再生
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4点止めパネルをそのまま使用しつつ、背面に高照度テープライトを組込み、エッジから柔らかい光を拡散。
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サイン面を収めるニッチを新設し、周囲にフェイクグリーンを配置。配線を隠しながら、自然素材の壁と調和させました。
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「前オフィスのサイン」とは思えない高級感ある仕上がりで、環境負荷を抑えつつデザイン性も向上。
【施工写真】テープライトと電線などを配線
電線とテープライトを接続した後の写真がこちら。サイン設置後も背面から光が漏れるよう、テープライトの中でも照度が高い商品を選定しました。
サイン設置後の写真がこちら。
4. 仕上がりのポイント
要素 | 効果 | 付加価値 |
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木格子ウォール | 視線制御・奥行き感 | ディスプレイ機能でブランド訴求 |
再生サイン+間接照明 | エコ+コスト最適化 | 高級感と視認性アップ |
ニッチ+グリーン | 配線隠蔽 | 自然要素でウェルカム感 |
5. まとめ
リピート案件こそ“前回の延長”ではなく、“進化版”を提示することが顧客満足への近道です。本事例では、「再利用」と「デザイン性」の両立という課題に対し、木格子・間接照明・グリーンという3要素を組み合わせることで、クールさと温かみを併せ持つエントランスを実現しました。
サステナブルなアイデアで、企業の成長物語を空間に刻む。
次の拡大ステージでも、新しい驚きをご提案します。
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。