「排煙窓があるから、間仕切りのラインをずらさないといけないのでは…」
「ずらすと会議室が理想的な大きさにならない…」
そんな風に悩んだことはありませんか?
内装の基本ですが、LGS(軽量鉄骨)を使った造作間仕切りなら、壁のラインを途中で“折る”ように調整する「クランク処理」で、排煙窓の位置をうまく避けながら、最終的に方立にぶつける形で美しく納めることができます。
クランク処理とは?
クランクとは、壁のラインを斜めや凹凸のある障害物に合わせて途中で折り曲げることで、構造や機能を損なわずにデザイン性も確保できる施工方法です。
今回のように排煙窓をかわしつつ、きれいに方立(壁の端部の支柱)に収める場合に特に効果的です。
LGS(軽量鉄骨)のメリットとして、現場での柔軟な対応がしやすく、このクランク処理も比較的スムーズに施工できます。
仕上がりもきれいで、変に見切り材を増やさずに済むため、コストも手間も最小限で抑えられるのがポイントです。
施工の流れ
1. クランク部分のLGS組立
排煙窓が干渉しない位置を確認しながら、軽量鉄骨をクランク形状に組み立てます。
排煙窓の開閉機能をしっかり確保しながら施工するのが大切です。

2. ボード張り・仕上げ
LGSで作った骨組みに石膏ボードを張り、クロスで仕上げを施して完成です。

まとめ
排煙窓を避ける以外にも照明やエアコンのスイッチと壁が重ならないようにするなど、クランク処理には意外に多くの場面で行われています。皆さんのオフィスでも壁のラインがクランクしている場所があれば是非注目してみてください。

一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。