部屋を間仕切る際、パーティションとともに候補に挙がってくることがあるのが「LGS造作壁」と言われるものです。
1. LGS造作壁とは?
LGSとは「Light Gauge Stud(ライトゲージスタッド)」の略称で、厚さ約0.5~1.6mmの軽量形鋼を使って壁や天井の下地を組む工法です。
オフィスや商業施設、医療空間などで間仕切り壁をしっかりと構築したい場面で使われ、パーティションよりも遮音性や意匠性に優れた仕上がりが得られます。
✅ ポイント:
「LGS造作壁」は、仮設的なパーテーションではなく恒久的な内装壁として多く使われています。
見積書でよく見る「LGS90」「PB12.5」といった用語の意味もわかるようになります。
2. 軽量形鋼で骨組みをつくる【スタッド&ランナー】
まずは骨組みの工程から。
LGS造作壁は、**軽量形鋼(けいりょうけいこう)**と呼ばれる鋼材を使って骨組みを組んでいきます。
主な部材の名称:
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スタッド(Stud):壁の縦方向に配置する部材(支柱)
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ランナー(Runner):床や天井に横方向に設置する部材(ベース)
例えば「LGS90」と見積に書かれていれば、「スタッドの間隔を90mmで設置します」という意味です。
3. 石膏ボード(プラスターボード)を貼って壁を形成
骨組みが完成したら、**石膏ボード(プラスターボード/PB)**を貼っていきます。
よく使われる表記とその意味:
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「PB12.5mm」:12.5mmの厚さの石膏ボード
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「ボード貼り」:LGSに石膏ボードを取り付ける施工
石膏ボードは不燃性・遮音性に優れ、加工もしやすいため、内装壁の下地材としては定番です。
4. 防音性を高めるならグラスウール or ロックウール
壁の内部に吸音・断熱材を挿入することで、快適性をさらに高められます。
これはグラスウール(ロックウール)と言われる防音材で、防音性を高めたい部屋などに使われます。
上記の施工ではグラスウールを入れています。
主な使用材料:
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グラスウール:ガラス繊維系の断熱材、コストパフォーマンスに優れる
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ロックウール:鉱物繊維系、より高い防音・耐火性を持つ
✅ 特に会議室、診療室、音楽スタジオなどでは、LGS造作壁にグラスウールを挟むのが一般的です。
石膏ボードをパテ(粘土のようなもの)塗りし、クロスを貼って完成!!
5. クロス仕上げでデザイン性アップ
石膏ボードの継ぎ目をパテ処理(平滑化)したあと、最終的にクロス(壁紙)や塗装で仕上げます。
クロス仕上げのメリット
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デザインバリエーションが豊富
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汚れに強くメンテナンスがしやすい
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店舗・オフィスのブランディングにも貢献
6. LGS造作壁の用途とパーティションとの違い
項目 | LGS造作壁 | パーティション |
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工法 | 固定式 | 可動式・仮設 |
遮音性 | 高い(断熱材可) | 低め(簡易) |
デザイン | 自由自在(クロス貼り可) | 限定的(既製品) |
工期 | 数日~ | 数時間~ |
主な用途 | 会議室、店舗間仕切り、診療室 | 執務スペースの区分け、仮設対応 |
まとめ:LGS造作壁は「しっかり仕切る」内装に最適
「LGS?見積に書かれてるけどよくわからない…」という方も、この記事で施工イメージと専門用語の意味がつかめたのではないでしょうか?
✅ LGSはパーティションよりも高い遮音性と意匠性を求める場面に最適。
✅ 専門用語も覚えておけば、職人さんとのコミュニケーションがスムーズに。
「ただ仕切る」だけでなく、「空間価値を高める」。
それがLGS造作壁の魅力です。
いずれにしても、壁を建てたい!というケースでは、まずはLGS造作壁をご検討ください。
どんなご相談でも、お気軽に弊社までお問い合わせください。

一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。