倉庫は快適に働く難易度が高い空間。天井も高く、大空間なので空調の調節が難しいことが最大の要因です。そんな中、倉庫内でも夏でも涼しく冬は暖かい環境をつくるため、倉庫内に小部屋を増設して欲しいというご要望を頂きました。
①まずは法令遵守のための事前確認
倉庫は建築基準法で「特殊建築物」と定義されています。耐火構造、排煙設備、避難規定や、消防法で定められている消防設備の規定を遵守し、かつ「確認申請」を行う必要があります。
また、天井についても様々な規定があるので施工方法もよく検討しておく必要があります。
今回も天井が非常に高いため、安全性を担保した施工内容をじっくりと計画し、既設の設備(消防設備)などの増設移設の計画を消防署に確認しながら進めました。
この他にもエアコン設置する際の室外機設置場所やドレン等の配管ルートの確認や分電盤内の電力、配線ルートの確認など、徹底した準備を行いました。
②施工順序は天井から
初めに天井を吊る工事から始めます。
天井の高さは6000mmを超えており足場クレーンを使用しました。
吊り天井の構造は特定天井、在来工法天井とありまして今回は200㎡以下、天井の高さは3000mmですので在来工法で作業しました。
建物の躯体から吊元金具でしっかりと固定します。
吊元から天井材を吊り下げる為、吊り金具、吊りボルト、ハンガー、野縁受け、クリップなどの部材で固定、接合していきます。
また吊元から天井まで3000mm以上あるので、耐震が必要になります。対策として高さ1500mm毎に斜めに振れ止めを設けて施工します
次に天井ボードを野縁の骨組みにビスで止めていきます。両端もしっかり取り付けたら天井の完成です。
③パーティションと設備を付けて小部屋が完成
最後にパーティションを通常通り組み立て、照明、防災設備、エアコンを取り付けて完成しました。
最近は夏の暑さが尋常ではありません。そんな中、倉庫や工場で働く方々の環境を改善したいとお考えの企業も増えてきているのではないでしょうか?
オフィスでも倉庫でも工場でも、内装の力で快適な環境を作ることは出来ると思っています。気候変動に合わせて働く環境を見直したい企業様、是非ご相談くださいませ。
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。