【クリニック改装の専門知識】CT室のX線漏洩を防ぐ鉛防護工事|ドア枠への追加対策とは?

【クリニック改装の専門知識】CT室のX線漏洩を防ぐ鉛防護工事|ドア枠への追加対策とは?

医療機関において、CT室の放射線遮蔽対策は極めて重要です。とくにX線の漏洩防止は、患者・スタッフ双方の安全を守るうえで欠かせない要素です。
今回は、ドア枠からのX線暴露を防止するための鉛入り防護工事の実例をご紹介いたします。


■ 工事の背景と目的

CT室には通常、鉛入りの建具や壁材を使用していますが、特に注意すべきは出入口まわりの遮蔽性能です。
扉そのものに鉛を内蔵していても、枠との隙間からわずかながらX線が漏れる可能性があるため、追加対策を施しました。


■ ① 鉛入り追加部材の設置計画

今回の現場では、既存のドア枠にも鉛は内蔵されていましたが、CT本体から最も近い側の枠に対し、鉛入りの追加部材による二重遮蔽を行う方針としました。


■ ② 追加部材設置のためのボード解体

追加の鉛防護材を設置するため、まずは枠周辺のボードを一部解体します。既存部分を損なわず、必要範囲だけを丁寧に解体するのがポイントです。


■ ③ 隙間対策としての鉛シート仕込み

防護性能を高めるため、ドア枠と壁の隙間には鉛シートを挿入し、遮蔽性能の死角を無くします。これにより、微細なX線の漏洩リスクを極限まで抑制できます。


■ ④ 鉛二重構造の追加部材を設置

使用する追加部材は、既存のドア枠を包み込むように設計された専用の鉛入りカバーです。これにより、ドア枠全体が鉛二重構造となり、遮蔽効果がさらに高まります。


■ ⑤ 仕上げと細部調整

仕上げでは、蝶番や鍵などの可動部を避けて最小限にカット加工を行い、美観と機能性の両立を図ります。施工完了後は、自然な仕上がりで違和感のない見た目に仕上がりました。


【まとめ】

  • CT室の放射線対策には扉まわりの遮蔽補強が重要

  • 鉛入り追加部材+鉛シート仕込みで二重の遮蔽対策を実現

  • 専門施工により安全・美観・機能性を両立


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