地方にサテライトオフィスを構える企業が増加中。どんなメリットがあるのか?

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地方にサテライトオフィスを構える企業が増加中。どんなメリットがあるのか?│画像1

多くの企業は東京や大阪など大都市圏の、しかも都心部に本社を構えています。従来の事業のあり方を考えると取引相手との距離感や人材の確保、さらにはブランドイメージなどのメリットが優先されてきたため、企業が都市部に集中する傾向が続いてきました。

しかし、ここに来てそれとは逆の動きが見られるようになっています。大都市の都心に本社を持つ企業が、サテライトオフィスと呼ばれる拠点を地方に設ける事例が増えてきているのです。サテライトオフィスを地方に持つと企業にとっても働く人にとっても多くのメリットがあると言われていますが、それはどんなものでしょうか。

地方に続々と誕生しているサテライトオフィスが持つ可能性について、考えてみました。

サテライトオフィスとは?

サテライトは、直訳すると「衛星」という意味です。本社や支社といった企業の拠点を核としつつ、その周りをまるで衛星のように存在しているオフィスのことをサテライトオフィスといいます。

企業は本社の他に支社や営業所を設けますが、これとサテライトオフィスには大きな違いがあります。支社や営業所という事業所は、そこに取引先や顧客などマーケットが存在するため、ビジネス上の目的から開設された拠点のことです。その一方でサテライトオフィスとは、企業の業務が集中するリスクを分散することや、そこで働く人の要望や生き方、ワークスタイルなどを尊重するために開設するもので、ビジネス上の必要性よりも「リスク管理」や「人」の事情に合わせて生まれたものだと定義することができます。

サテライトオフィスを設けている企業

地方にサテライトオフィスを構える企業が増加中。どんなメリットがあるのか?│画像2

Googlemapより

実際にサテライトオフィスを開設している3社の事例を見てみましょう。

・株式会社プラットイーズ
コンテンツや映像などを運用するIT企業、株式会社プラットイーズは徳島県に「えんがわオフィス」というサテライトオフィスを開設。東京の本社とネットワークで接続した上で都心と同等のサービスを提供しています。

BCP(意味は後述します)と社員の「自分に合った働く場所選び」を達成するために実践された、地方サテライトオフィスの成功例です。

・株式会社日本電気
NECによるサテライトオフィスへの取り組みはとても古く、1984年に吉祥寺で開設した事例にさかのぼります。ITインフラを提供する大手企業としてサテライトオフィスを自ら実践することにより、ノウハウの蓄積が図られています。

・日産自動車
特別にサテライトオフィスというスペースを用意することなく、社員が好きな場所でテレワークができる制度を確立したのが、日産自動車です。チャットや音声テレビ会議システムによるインフラを確保した上で、どこにいても本社にいるのと変わらない業務が可能となっています。

サテライトオフィスのメリット

地方にサテライトオフィスを設けるメリットは、企業や開設先の活性化といったマクロ的なメリットと、働く人の利便性や自己実現というミクロン的なメリットに分けられます。

・企業や開設先にとってのメリット

①地方創生、経済活性化
過疎や人口減など地方に共通する慢性的な問題に対して、サテライトオフィスが直接的な効果をもたらします。社員の定住化や税収増など、そのメリットは多岐にわたります。

②生産性向上、経費削減
賃料の安い地方にサテライトオフィスを開設してそこで社員が働くことは、通勤費の削減や通勤時間の短縮による生産性の向上をもたらします。

③人材確保の促進
サテライトオフィスを開設することにより、「その場所なら働ける」という人を雇い入れることも可能になります。慢性的な人材不足が指摘される中、サテライトオフィスはその救世主になりうるかも知れません。

④BCP
大規模災害やパンデミック(感染症の爆発的拡大)、テロやミサイル攻撃など、事業の継続にはさまざまなリスクが伴います。大都市に一極集中した事業形態だとそこが機能不全に陥った場合に事業継続が不可能になります。
BCPはリスクを分散することで事業継続を図るスキームで、地方のサテライトオフィスは物理的なBCP対策として有効です。

・働く人にとってのメリット

①ワークライフバランスの改善
仕事と同時に自分の時間、家族との時間を大切にしたいというライフスタイルの人が増えていますが、そんな人にとって職住近接で通勤時間も少なく、場合によっては自宅に仕事を持ち帰っても業務が成り立つサテライトオフィスはワークライフバランスを自分で決められるシステムです。

②勤務地で仕事や会社を選べる
地元で働きたいという思いを持っている人にとって勤務地が思い通りにならないがゆえに就職の選択肢が狭くなることもあります。サテライトオフィスがその人の希望する地方にあれば、勤務地で仕事や会社を選べるようになります。

③都会にはない生産性、アイディアが生まれることも
地方の、とりわけ田園地帯や農村などで働くというのは、都会とは全く異なる環境です。都会という枠の中で限界があったような生産性やアイディアが生まれ、そこから新しいビジネスが創造される可能性も十分あります。

サテライトオフィスのデメリット

会社にとって、働く人にとってメリットがとても多いサテライトオフィスですが、もちろんデメリットもあります。
主なデメリットを挙げてみると、以下のようになります。

①意思疎通の問題
地方サテライトオフィスが持つ最大の課題は、都市部にある拠点との意思疎通でしょう。ネットの発達によってリアルタイムでさまざまな連絡が取れるとはいえ、本人同士が目の前にいて話し合うのと同じ効果は得られません。
社内の理解や環境への適応など、企業風土そのものを改善する必要がありそうです。

②交通アクセスが不便で通勤しづらいことも
地方の中でも中心的な都市であれば比較的ましかも知れませんが、全体的に交通アクセスが不便なので、マイカーがなければ通勤しにくいという状況が生まれる可能性があります。

③サテライトオフィス開設のコスト
全くその企業にとって縁のなかった土地にオフィスを構えるのですから、時間的、金銭的、そして人的なコスト負担があります。それでうまくいけば良いのですが、そうならなかった場合にコスト負担だけが残ってしまいます。

まとめ

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地方にサテライトオフィスを開設するメリットとデメリットを網羅してきましたが、総じて言えるのは、メリットの方が大きいので企業と働く人の双方にプラスに働く可能性が高いということです。
サテライトオフィスとはこういうもの、という厳格な定義はないので、多彩な働き方のひとつとしてうまく活用するのが成功の秘訣です。

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