5000円のボーダー。接待交際費の税務ルールについて解説

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他の会社の方を接待する際に、経理の人から「接待交際費は1人あたり5000円以下にしてください」と言われたことがある人はいませんか?「ケチくさい」「せっかく会社の金で飲み食いできるのに」と不満を感じたことがある人もいるでしょう。しかし、この「5000円」という金額は会社が独自で設定したルールではありません。それが証拠に、転職先でも同じように「5000円以下で」と言われた経験のある人が多いのではないでしょうか?

この記事では、接待交際費における「5000円ルール」の不思議について解説します。なぜどの会社でも一律に「5000円」という金額を言うのか? それにはどういう根拠があるのか?5000円を超えるとどうなるのか?それぞれについて記載していきます。

■そもそもなぜ5000円なのか?

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得意先への接待交際費は、1人あたり5000円以下の飲食代であれば、接待交際費ではなく会議費などに計上することができます。接待交際費は年間最大800万円までしか計上できません。通常の接待で使った経費を会議費などとして計上できれば、接待交際費800万円の枠を他のより重要な接待に使えます。こういった税務上の理由で、接待交際費の枠を有効に使いたい経理は「接待交際費は1人あたり5000円以下で」と念押しするのです。

■交際費として扱われると

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接待で1人あたりの飲食代が5000円を超えると接待交際費として計上することになり、前述した800万円の枠を圧迫してしまうのです。接待交際費は、飲食に使うだけではありません。取引先へのお歳暮やお中元、接待ゴルフの際の費用、取引先の送迎費など様々な用途で使うことが考えられます。接待交際費が800万円を超えると、超えた分は損金算入出来ません。損金算入とは、要するに「経費で落とす」ということです。

例えば接待交際費が1000万円の場合、800万円までしか経費で落とせません。経費で落とせない額が増えると、企業は純粋に損をしてしまいます。通常の飲食代が会議費に計上できるか、接待交際費に計上しなければならないかは、企業側にとって重要な問題なのです。

■注意点

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接待交際費はできるだけ計上しない方が良いということはご理解いただけたと思います。ここからは、一般的な社員が接待交際費について注意すべき点を述べていきます。

・5000円基準は取引先との「飲食代」のみに適用
5000円かどうかが問題になるのは、あくまで「飲食代」についてです。例えば、お土産代やタクシーなどを使った場合の送迎費は自動的に接待交際費になります。

・「1人あたり」5000円以下であること。
飲食代の総額を頭数で割った額が5000円以下であれば接待交際費になりません。2人で飲みに行き、A氏が6000円、B氏が3000円使った場合は、A氏は5000円を超えていますが、1人あたり4500円となるので接待交際費になりません。なお、飲食代の総額にはサービス料や税金も含めます。

・アルコールはOK
アルコール類を飲んでいても、自動的に接待交際費になるわけではありません。会議費等他の内容で計上できます。

・接待の対象は社外の人間
社内の人間に対する飲食費は、内容によって会議費・福利厚生費・接待交際費となります。あくまで「社外の人間に対する」「5000円以下の」「飲食代」がポイントです。

■まとめ

経理の人が「5000円以下で」と言うのは、決してケチや節約が目的ではないとお分かりいただけたと思います。経理側としても会社の利益をアップさせるために努力しており、その協力を求めているだけなのです。なお、1人あたり5000円以下の飲食費用として接待交際費に算入しないようにするには領収書が必要となります。

領収書には、参加した人の名前と会社の名前を書いておく必要があります。人数が多い場合は「A社Bさん他◯人」と言った書き方でも十分です。正しい処理をしておかないと、税務調査が入るなどで痛くもない腹を探られる可能性があります。接待などで他の会社の方と飲食をする場合は、一度経理の人に注意点を聞いておくといいでしょう。

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